2021-04-23

S-53　スライド式の本棚

〈　S-53　スライド式の本棚　〉
w 190㎝×d 90㎝×h 250㎝
タモ無垢材 / クリアオイル仕上

新築された家の書斎の一角に、大きな本棚を作りたいというご相談をいただきました。本棚を設置したいという場所は、家相的な配慮もあり、踏み入れないようにしたいというご要望。そこで引き出し式の本棚を並べるようにできないか、といった内容でのご依頼。その制限を踏まえて、できるだけ収納量を確保しながら、丈夫に長く使えるよう、サイズ構造を考えて設計していきました。機能に加えシンプルながらも無垢材が活きる風合いある本棚として納まりました。

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全体に本棚6列。窓側2列は、壁設置物を避けるため背丈ほどの高さ、その他4列は天井いっぱいまで収納量を確保。

お客様のもっている本のサイズ、これから納めていきたい本をヒアリングし、そのサイズを考慮し棚高さ間隔、幅を設計。3種類のサイズの本棚を並べました。

文庫本などの小サイズ用の本棚は安定感がでるよう棚幅を広くして、棚の中央に仕切りを加えました。両サイドから本を収納できるようになっています。また仕切りを外すことで、奥行きの深い本にも対応。

タイミングよく金物屋さんに提案いただいた、重量本棚専用の戸車・レールを使用。これから増えていく重量に耐えらるよう丈夫さを意識しながらの設計製作。

エアコンなど壁の突起物を避けるため、窓側の本棚は背丈ほどの高さに。その上部は収納として活かしました。

取っ手、前板にはタモの無垢材を使用。部屋の色味に合わせた色のオイルを塗布。自然の表情・質感が前面にあることで、ボリューム感を感じさせない馴染のある雰囲気になりました。

大型の家具ということで日を分け、壁立てや組み立ての大掛かりな作業を経て無事納品。たくさん本が並べられることを楽しみされていた様子のお客様。これまでに増えてきた本。好きな本がこれからも増えていくことを見通して長く使えるものを、と新たな家とともに作られた本棚。ご自身にとって暮らしの中で大切にしていきたい物は？その物を心得られ、その物との関りをより深めていく。大切にしたい物を居心地よく納めてあげることで、ご自身も心地よく暮らすことにつながる。そんな物との付き合い方を見据え、本を読む日常をより愉しめる本棚として出来上がったように感じました。