〈 S-58 ブックワゴン 〉
w 51 × d 28 × h 74 / タモ無垢材 / クリアオイル仕上
日常の動線の中で、身近に仕舞え、本を一時的に納めるために。暮らしの中のモノに紛れてしまわない本の居場所として。私たちの暮らしに寄りそってくれる本を迎え、一時でも心地よく留まってもらえる場所を作ってあげる。そうして私たちも心地よい過ごしができるように、と考えた本棚の製作事例のご紹介です。
読み途中の本を納める場所は、決まっているでしょうか?我が家では借りてくる本や、見返しながら読み進めるコミックなど、読みかけの本が複数重なり、ついつい本が散らかり気味に。とくに子供は色々な場所で読むため、読んだ場所の近くに本を置いてしまうことが習慣に。すると、ある程度スペースを確保しておきたい棚の上やテーブルなどを、本が埋めてしまう状態となってしまいます。そこで、自宅での使い方を想定して、本棚を設計製作しました。
〈 設計イメージ等 〉
- 少しづつ読み進める本の、一時的な本の置き場所。
- 大小色々なサイズの本がおさめられるように。
- 据え置く大きな本棚ではなく、置き場所をえらばないサイズ感や存在感。
- 部屋の使い方・掃除などに応じて気軽に動かせるように。
- 本だけでなくディスプレイ棚としても使える雰囲気のものを。
[ point ]
奥行きはA4サイズの本がはみださないように。高さ間隔は、A4サイズから文庫サイズまで納められるように。高さを違えたスペースを作り変化をつけています。
高さ間隔の低いスペースに、引き出しを設けることで、一段上がった舞台のようなディスプレイスペースとしてのイメージも加えました。
全体の高さ・天板高は、椅子に座って使うテーブルの高さに近い74㎝。椅子に座って使いやす天板高さにして、且つ天板を広めにとりテーブルとして。読む書きを一体となってできる場を想定。
側板の凸部は、ワゴンとして物をのせて運ぶ際の、落ち止めになるイメージです。
前面背面どちら側にも引き出すことができる引き出し。使う場所・向きに制限がでないような仕様。引出し前板はクルミの木。製作途中で、表情の違う木材を使ってアクセントを加えてみようと思いつき加えました。
この前板部分は、オーダーの際にお客様の好みの材種を選んでいただくのも面白いなと考えています。
2本の脚と、首を振らないタイプのキャスター2ケの組み合わせ。本棚を頻繁に動かすというより、必要なときに動かすことを念頭に。普段は落ち着いて本棚が構えているイメージを残したデザインです。
キャスターと反対側を持ち上げ、ワゴンとして動かして使えるように、取っ手となる開口を側面上部に設けました。ディスプレイを照らす明り取りの窓のようなイメージでもあります。
内側の開口周囲を斜めに欠き取り、本が並べらていても指がかかるような形状にしました。
現在は店頭に展示中のブックワゴン。上記のような設計イメージで製作した今回の本棚ですが、オーダー展開として、
- テーブル使いをより重視して、天板を広くする。
- 置く場所を決めるなら、その場所に合わせた幅サイズにする。
- またキャスターなしで作る。
などお客様の暮らし・使い勝手に応じてアレンジされても面白いと思います。
日々の暮らしで増えていく本をどのように納めていくか。一つの大きな本棚・書棚に収めるという選択肢以外に、住いの中に多種の本棚を暮らしの状態に応じて加えていく、という方法も一案です。限られたスペースを活かす。本棚の要素を家具に加えていく。など工夫して本の居場所を作ってあげることを、考えてみてはいかがでしょうか。
[ photo ]
S-58 ブックワゴン
〈 木材 〉 | タモ無垢材・クルミ(前板) |
〈 色/仕上げ 〉 | クリアオイル仕上げ |
〈 サイズ 〉 | 幅 51㎝ × 奥行 28㎝ × 高さ 74㎝ |
〈 参考価格 〉 | 88,000円(税込) |
〈 ご依頼 〉 | 自宅(暮らしの箱301) |
〈 木材・仕上げ方法など ⇒「家具について」 〉
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