作る一歩手前の「考える」ことから、
あらためて「作る」ってなんだろう?
そんなことを考えるキッカケが生まれたら・・・
と始めた「作らないワークショップ」、今回は2回目。
【 わたしの「好き」と出会う、切りとる風景 / 一眼レフカメラ編 】と題し、
去る3月17日、うっすら曇りの須磨海岸に集合して開催しました。
今回は、「わざわざ」という壁を設けて、
それを越えて、その壁の向こうから
見えてくるもの・感じとれるものは何だろう?を探るワークショップになりました。
まず、わざわざのキッカケを作るものは、一眼レフカメラ。
それをたずさえて、子どもと一緒に、撮影する。
正直、いろいろ面倒くさいシチュエーション。
でも、そんな面倒くささとか、わざわざを積み重ねたのにはワケがあるんです。
(アップした写真は参加者さんが撮影したものです)
わたしの「好き」って、なんだろう?
普段は、オーダーメイドの額縁を製作する仕事をしているのですが、
ときおり、上のような質問をもらうことがあります。
「部屋に何か飾りたいんだけど、何を飾ったら良いのかわからない」
飾るモノに正解・不正解は無いので、ご自身の好きなモノを飾ったら良いんですよ。
とお話しするのですが、案外、そんな「好き」に気づけていなかったり、
遠慮してしまっている印象があります。
今回のワークショップでは、そんなご自身の「好き」が見つからない
と感じるかたへの一助となる機会になれば・・・と思っていました。
「わざわざ」という面倒くささが、
自分の意図しないモノやコトに無意識に近づける偶然を生んだり、
意識せず無意識で手にしたものに「あ!」「あ?」とした気づきや発見があったらイイな。
また、「好き」を知っているかたには、
自分を外から、もう一歩離れて、外から眺めてみる。
そんな体験の機会を創れたら・・・と思って、このワークショップを企画しました。
果たして、どんなワークショップになったんでしょう…???
子どもの視点で風景を切りとる
主催するマヤッカが作り手なので、
写真教室なのかな?とか作品を撮るのかな?
なんていう先入観をなくすため、
テーマの真ん中に「子ども」をすえてみました。
「ガシャンって、シャッターを切ったときの音と振動がいい。
マニュアルでピントを合わせるのが好きだし、面白い。」
スマホやコンデジとは違う「撮った!」感触や、
覗き込んで見る風景・撮る姿勢にワクワクしてる、最近の我が息子。10才。
彼の感性に倣って、彼と一緒に大人もカメラを構えたら、
先に書いた「自分の意図しないモノやコト」に近づけるかな?どうかな?と思ったんです。
そこで、息子には「いつもどおり撮ったらいいから」とだけ伝え
どうなるかわからぬまま、とりあえず、ワークショップ、スタート。
理想と現実と
子どもらしさを勝手に想像すると、
闇雲にシャッターを切る、とにかく動き回る。
そんな無邪気な様子を思い浮かべがちなんですが、
あにはからんや。
息子、ぜんぜん動かない。
あれ・・趣旨と違ってしまうやん・・・
どうやら、オートではなくマニュアル操作で撮りたいらしく、
いちいち、いろいろ、何かが合わないらしく、
構えては!・・・あれー? 撮らないねえ。が、つづく。
息子!いま、イイの来たよ!シャッターチャンスちゃう!と、こっちが思っても
あー・・・気づいてないねえ。
何かを合わすのでそれどころじゃない息子。
しばらくすると参加者さんからカメラの扱いやマニュアル操作を教えてもらってる様子。
子どもと一緒に子ども心でパシャパシャ、シャッター切ろうぜ!
そこには「無心」で「無邪気」に。
なんていう企画を立てた側の勝手な理想があったけど、そうはならない現状。
いつもと違う「なにか」
でも、時間が経てば経つほど、各々が「何か」に惹かれながら、
ゆっくりシャッターを切ったり、遠くを眺めたり、しゃがんだり。
自分自身の時間を過ごしながら、なんか「愉しいぞ?」をじんわりと感じている様子が伝わってきました。
たぶん、普段と違うからなんでしょうか。
どこかに出かけたら目的地があったり、撮るべきものがあったりします。
時間の制約もあって、いつまでもカメラを操作してる時間も少ないかもしれません。
だからこそ、ポケットからサッと出すスマホでカシャッが主流なのかもしれません。
それらから解放された、ただただ海岸をさまよう、公園ではしゃぐ2時間は、
全員にとっていつもとは「何か」違う「ちょっと」違う時間の過ごし方だったのかもしれない、そう思うんです。
このワークショップ、前半と後半にわかれていて、この「撮影する」までが前半。
後半がタイトルにもなっている「わたしの「好き」と出会う」になります。
主催者の額縁屋が参加者さんに贈るフィナーレ。
キーワードは、「選ぶ」と「飾る」。
「飾るとは何か?考える機会になった。」
そんな感想が参加者さんから出て、
わたし自身もあらためて「飾ること」に向き合う新鮮な時間となりました。
作らないワークショップ2、【 後編 】に続きます!