



切手を「絵として飾る」クジラの模様が浮かび上がる海色の手彩色額縁
新婚旅行で訪れたニューカレドニアで購入した切手を飾ります。
切手シート全体に海の世界が描かれ、一枚の絵のよう。シートも面白いかたちをしていて、その外形を活かしてマットボードの窓をあけました。
お客さまのご希望で、額縁に「模様」を刻みます。
切手に描かれた生き物のなかから、クジラをピックアップし、額縁の「ふち」を、ゆったり周遊するように配置しました。
額縁のふちという制限のある大きさのなかに、クジラをどう描き、どんなふうに泳がせよう。
お客さまと何度も図面のやり取りをして悩み迷い、一度は手を止め、じっくり時間をおいてから、満を持しての再スタート。
悩み迷うときは、立ち止まることも大切だなと思うんです。
どうしても期限があって決めなければならない。のでなければ、作る側は待ちます。
そのほうが、互いに納得のいく、そして、お客さまにとっては本当に満足のいくものが仕上がると信じているからです。
【 one point 】
無塗装の木地に下地を塗り、色を塗り重ねて表情をつけていく「手彩色額縁」は、中に飾るもの&お客さまの好みに合わせて色を作っていきます。絵柄は下地を固く練ったものを滴らせ、盛り上がるようにして描いていきます。手間と時間をかけて生まれる特別な額縁です。